[2025年6月13日] やっぱりClaude Codeしか勝たんかもしれない (週刊AI)
こんにちは、Kaiです。
先週は風邪をひいてお休みを頂いておりまして、2週間ぶりとなります。
界隈ではClaude Code一色ですね。実は今週、半日時間を取って社内でエージェントコーディング勉強会(がっつり触って比較してみる会)を開催しました。その中で私も改めてClaude Code(CC)およびClaude Code GitHub Actions(CCA)を比較してみました。
結論として、私の感触は以下のようなものでした(あくまで私の所感)。
CC | CCA | |
---|---|---|
強み | ターミナルで動くので開発環境をそのまま使える | 自らプランを立てるのでひと固まりのタスクをまとめて任せられる |
使いどころ | 試行錯誤しながらテストを回しつつ、対話的に機能を作っていく | 手順とゴールが明確になっているが面倒なタスクを丸投げする |
日常使いにはCCで、リファクタリングや難易度は低いが手間がかかる機能修正などをCCAに任せたい感じです。
それと、使っていて強く意識したのが、「リポジトリを育てる」という感覚です。これは、CLAUDE.mdをはじめとして、コーディング思想や哲学、場合によっては「このリポジトリで何を実現するのか」といったビジネスレベルの内容も、どんどん書き込んだ方がよさそうだというものです。
これまで、Wikiはある程度活用するにしても、あくまでGitHubはコードベースを管理するためのもの、という位置づけが強かったように思います。しかし、CCやCCAの開発体験を通じて、プロダクトマネジメントレベルの情報もAIリーダブルな情報としてGitHubに含めるべきであり、テキスト化しておくべきだという思いを強くしました。
こういった情報は従来暗黙知として会社で共有されていたり、コード外のドキュメントで共有されていたりするわけですが、AIリーダブルでない情報をAIは参照できません。人間のエンジニアであれば、このサービスが何のビジネスに乗っていて、何の目的で作られているのかは理解しているわけで、CCやCCAにも同じ土俵に乗ってもらうためには、リポジトリに入れておく必要があると感じます。
先述の勉強会ではスクラッチで新サービスのプロトタイプを作ってみたのですが、空のリポジトリに最低限の情報を書いたMarkdownから始め、AIと一緒にディスカッションしながらAIにMarkdownをどんどん書かせ、その後でコードを生成するというプロセスがハマったように思います。もちろん、機能追加や修正をする際には、Markdownのアップデートも一緒にAIにやらせます。
感覚としては、樹が成長するように、結晶が成長するように、GitHubという環境の中でAIがリポジトリを育てている、というメタファーがしっくりきました。
恐らく、開発のみならず「AIと一緒に何かをやる」プロジェクトは全て、このようなスタイルになるのではないかと感じています。
冒頭ポエムはこれくらいにして、それでは2週間分のトピックスです。
注意事項
- 直近収集したAIおよびWeb系の記事やポストが中心になります
- 私のアンテナに引っかかった順なので、多少古い日付のものを紹介する場合があります
- 業務状況次第でお休みしたり、掲載タイミングが変わったりします
AI新着モデル、サービス、アップデート
Docker創業者、コーディングエージェント個別にコンテナ環境を与える「Container Use」をOSSで発表
AIモデル自体ではないですが、これはかなり大きいインパクトがありそう。あるといいのにな、と思うシチュエーションは多かったです。
Claude Code公式チュートリアル
Anthropic公式のガイド。使うなら絶対読んでおいた方がいいです。
Claude CodeにPlanモードが追加
まず計画を立てさせるというモード。明示的にタスクをさせるのか計画を立てさせるのか示せるのはいいですね。
OpenAI: o3-Pro
他にもGPTsのモデル指定などいくつかアップデートが発表されています。o3-proは手元で試している感じ、あまりo3との差は感じないかな……。
サム・アルトマンのポエム
不定期でたまに出るアレです。もうシンギュラリティのラインは超えているが、変化はゆっくりと社会に浸透するだろう、と述べています。
(翻訳)その他AI系話題
大事なのは、AIの精度だけじゃない!〜1円のズレも許されない経理領域とAI〜
泥臭いUIの改善と、人間によるチェックのやりやすさを追求するという、プロダクトとして重要なポイントを押さえなければいけない、というお話。AIは魔法の杖ではない。
Claude Code完全攻略Wiki(隠しコマンド編 - think,拡張機能,思考予算)
話題になっていたのでご存知の方も多いかと。にしても、think-megathink-ultrathinkってなんか呪文みたいですね。
Claude Codeの使用料金を可視化するCLIツール「ccusage」を作った
Claude Code使うなら絶対入れた方がいいです。いいツールです。
一休.comの多言語対応
翻訳サービスよりChatGPTの精度が高いのは肌感覚通りですが、実際にサービスに組み込むには出力が安定しないが故に色々工夫が必要だったというお話。
Cursor × GitHubでPRレビューがめちゃくちゃ楽になった話(2025/5)
この使い方もいいですね。場合によっては、コード生成とレビューのモデルを変えてもいいのかもしれません。
Googleの新しいコーディングAIエージェントJulesを使ってみた
Claude Codeですっかり影が薄くなってしまいましたが、社内のエンジニアからの評価は結構高かったです。
Amazon BedrockでClaude 4を使用するときのmax_tokensについて
おお、当社はBedrock経由でClaudeを使っているのでこれは注意が必要ですね。
コーディングエージェントの現状の整理とエンジニアの仕事の変化について
現時点での状況を理解するには最適な記事だと思います。AI疲れにも言及しています。
Claude Code の settings.json は設定した方がいい
冒頭でも書いていますが、「リポジトリを育てる」という感覚が、Claude Codeでめちゃくちゃ強くなりました。その一環だと思っています。
Claude Codeを並列組織化してClaude Code "Company"にするtmuxコマンド集
これはすごい。いつかはこうなると思っていましたが、現時点でもここまで出来るのか。「あとよろ」系のタスク投げができる基盤が出来てきています。
MCPにおけるセキュリティ考慮事項と実装における観点(後編)
確か前編もご紹介したと思いますが、MCP使うなら読んでおいた方がいい。
Claude Codeで効率的に開発するための知見管理
これも「リポジトリを育てる」文脈のひとつ。
AI領域における組織の強みを活かすアーキテクチャ設計
「AIを作るチーム」と「AIをサービスに実装するチーム」のすり合わせをどうするか問題。確かにここにはロスが生じがちで、お互いに歩み寄るしかない部分もあります。
Claude Codeで内部統制3点セットを作る(Drawioフロー図の生成)
話題になったポストですね。ClaudeがここまでDrawioを描いてくれるなら、社内ドキュメントなんかはかなり手間を減らせそう。
How I use Claude Code
英語ですが、一つのベストプラクティスの在り方が紹介されています。結構深いノウハウかも。
僕がClaude Codeに食われた日
これも話題になったポスト。もうClaude Codeの強さは言うまでもないのですが、最後の方にあるレイアウト崩れは確かにありますね。実際にレンダリングして画面を画像として解析するというプロセスを挟まないとこれは解決できないのかもしれません。
AIコーディング新時代を生き残るための試行錯誤
筆者の方が試行錯誤した上で得たノウハウをまとめてくれています。サンドボックスでYOLOを高速で回す、というのは確かに一つの解かも。バベルの塔コーディング。
Cursor で100日間アプリを作り続けた中で、全然うまくいかなかったこと
結局、人間と同じように扱うのだけれど、プロジェクト進行スタイルは全く異なるものにする必要がある、ということなのでしょう。ライトに作って失敗したらロールバックしてやり直す。
Cloud Run MCP
MCPからCloud Runできるようになった!
WEB開発系話題
鳴り止まないアラート対応の中で学んだ 監視改善の進め方
あるあるですね……。当社では、AIでアラートのトリアージと初期対応ができないか模索しています。それでも「どうあるべきか」は人間が定義しないといけない。
RDS Performance Insights が 2025 年 11 月 30 日に CloudWatch Database Insights へ統合されるみたいです
AWSから個別に注意喚起が来ているはずですが、見逃しているかもしれないので。
Zennの検索スピードを5倍に高速化した話
全文検索エンジンを使わず、PostgreSQLの全文検索インデックスに閉じた打ち手。複数の選択肢があり、それぞれの特徴を整理。
その他一般テック話題
Anthropicで利用されているモダンなPython開発のベストプラクティス
MCPのPythonSDKに含まれるCLAUDE.mdに、AnthropicのPython開発ノウハウが詰まっているというお話。
コードの複雑さを可視化して可読性を上げる方法
当社でもサイクロマティック複雑度を計測してリファクタしたことがありますが、なかなか7に収めるのはキビシイときも……。
リモートワークと自宅介護について
私も介護を経験したので、これからの日本では働き方に大きな影響を及ぼしていくと思います。
Windowsのメモ帳(Notepad)がMarkdown形式をサポートへ。Windows Insider向けに配布開始
すばらしい!すばらしい!ところでWordも対応しませんか?
技術的負債の変質について
「技術的負債を踏み倒す選択肢」については、私も最近強く感じています。エージェントの能力が非常に大きくなり、オーケストレーターが有効に機能するなら、作り直す、またはマイグレーションするハードルが極めて低くなるのではないかと。
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