【非エンジニアでもわかる】構造化出力とは?
はじめに
うぇっす!ノウチーニョです。
皆様に一つ質問させてください。
AIに何かをお願いしたとき、「惜しい!ちょっとだけ求めていた答えと違う…」と感じたことはありませんか?特に、抽出した情報をプログラムで使いたい場合、形式が毎回異なると困ってしまいますよね。
そんな悩みを解決してくれるのが、**「構造化出力(Structured Outputs)」**という技術です。
今回は、PDFの履歴書から決まった形式で情報を自動的に抜き出すサンプルリポジトリ(openai-structured-outputs-samples)を題材に、この「構造化出力」がどれだけ便利でパワフルな技術なのかを、非エンジニアの方にも分かりやすく解説します。
「構造化出力」ってなに?
一言でいうと、AIに対して「こういう形式で答えてね」というルール(専門用語で「スキーマ」)をあらかじめ教えてあげることです。
サッカーで考えてみましょう。フリーキックのとき、「壁はゴールから9.15m離れる」という明確なルールがあるからこそ、選手は戦略を立ててスムーズにプレーできます。もしルールがなければ、毎回めちゃくちゃになってしまいますよね。
AIも同じで、回答のルールを決めてあげることで、出力結果がいつも予測通りになり、プログラムで非常に扱いやすくなるのです。
履歴書を自動で整理するデモを見てみよう
このリポジトリのメインデモでは、PDF形式の履歴書をアップロードすると、AIが名前、学歴、職歴、スキルといった情報を自動で抜き出し、整理してくれます。
このデモには、非エンジニアの方にも知ってほしい「すごいポイント」が3つあります。
すごいポイント1:いつでも正確!
「名前は文字列で、職歴はリスト形式で」といったルールを事前に決めているため、AIは必ずそのルールに従って情報を整理してくれます。これにより、出力の信頼性が格段に向上し、「今回はちゃんと動くかな…」という不安から解消されます。
すごいポイント2:待ち時間なしでサクサク動く!
すべての情報を処理し終わるのを待つのではなく、AIが抜き出せた情報から順番にリアルタイムで画面に表示してくれます。これはストリーミングと呼ばれる技術で、YouTubeの動画が読み込み完了を待たずに再生されるのと同じ仕組みです。ユーザーはストレスなく結果を確認できます。
すごいポイント3:プログラムとの連携がスムーズ!
出力されるデータの形式(JSON形式)が常に一定なので、後工程のプログラムにデータを渡すのがとても簡単になります。これにより、開発者はより複雑なアプリケーションを効率的に構築できるようになります。
どんな技術が使われているの? (少しだけ専門的な話)
このデモは、いくつかの主要な技術を組み合わせて作られています。
テクノロジー | 役割 |
---|---|
OpenAI API | AIの頭脳部分。人間のようにテキストを理解し、情報を抽出します。 |
Zod | AIへの回答ルールを作成し、厳しくチェックする検証役です。 |
Next.js | ユーザーが操作するWebサイトの見た目や機能を作るための道具一式。 |
PDF処理ライブラリ | PDFファイルからテキストを読み取るための専門ツールです。 |
これらのツールが連携することで、AIの賢さとシステムの安定性を両立させています。
まとめ
今回は、OpenAIの「構造化出力」という技術について、履歴書抽出デモを例にご紹介しました。
この技術を使えば、AIの出力を自在にコントロールし、信頼性が高く、ユーザーにとっても使いやすいアプリケーションを開発できます。履歴書の整理だけでなく、請求書の処理、アンケート結果の分析、顧客からの問い合わせ内容の分類など、アイデア次第で様々な業務を自動化できる可能性を秘めています。
AIともっと上手に付き合うための便利な技術、あなたなら何に使ってみたいですか?
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