なぜあなたの個人開発は失敗するのか?失敗事例から学ぶサービス作成のアンチパターン
こんにちは、sanmaです。直近でサービスを2個リリースしてどちらも失敗しました。
現在の開発環境はAIによる高速開発が可能になっており、1個目が3か月ほどかかりましたが2個目のサービスは2週間ほどで開発しました。エンジニアをやっていると往々にして陥りがちな問題がコードを書くこと以外を軽視することだと思っています。
今回の記事では実際のサービスを元になぜそれが失敗したのか?何をやれば成功していたのか?について書いていこうと思います。
PriceSphereというサービスを今年の4月にリリースしました。
Amazonの海外物販を行っている方向けのサービスで、Keepaという日本と海外のアマゾンマーケットプレイス間の価格差を検索できるツールを利用して、マーケットプレイス間のすべての商品の価格差を検索して、価格差が大きい商品を検索するサービスです。
なんでこのサービス作ったの?
海外物販をやりたくなり、Amazon関連の書籍を10冊ほど読んだところ、ほとんどの書籍に書かれているリサーチの手法がKeepaを利用してマーケットプレイス間の価格差を調べて価格差が大きい商品を取り扱えば儲かるという内容が書かれていました。
しかし、KeepaはそもそもAPIを提供しており、APIで全データを自動で取得すればリサーチ効率が跳ね上がるのではないか?と考え作成しました。
なぜ失敗したのか?
- 事前のリサーチが少なすぎた
サービスの開発は完全に個人で行いました。また、私自身がアマゾン物販の初心者だったこともあり、書籍を10冊ほど読んで物販を開始したのち実際にこのツールを利用して物販を行い月20-30万円ほどの利益を上げたので、ツールを開放すれば有料で利用してくれる人がいるのではと思いサービスの作成に着手しました。 しかし、この時私がやるべきだったのはインタビューです。 既存の物販関連のツールは数多くあり、実際それらが月額5000-5万円ほどの価格でも有料会員を獲得していました。
ですが、やはり世の中に存在しないサービスは何かしらの理由が必ずあります。私が作成したサービスは調べた限りでは類似事例が存在しませんでしたが必ずなぜ存在しないのかが理由が存在するはずでそれを明確にするまで開発に着手するべきではありませんでした。
ウェブサービスはユーザーが抱える問題を解決するためのものですが開発に着手する前に実際に物販事業を行っているユーザー10人以上に対してインタビューを行い、市場の構造やユーザーが抱える問題についての解像度を上げるべきでした。
エンジニア目線で考えると技術スタックは何にするか?クラウドは何を使うか?など考えがちですがまずユーザーありきで考えるべきです。
特にコードを書いていると陥りがちな問題ですが、インタビューやマーケティングに割く時間の軽視に陥りがちです。コードを書く前にやるべきことはアイデアが10個あるとしたらそれらすべてのリスティング広告を打って問い合わせが最も多いサービスは何かの検証、アイデアを形にした後実際使ってくれそうなユーザーへのインタビューなどに十分すぎるほどに時間を割いてコードを書き始めましょう!コードはいつでも書けます。
- 技術的なところを重視しすぎた
最初に3か月ほどサービスの作成にかかったと書きましたが、これは1か月くらいかけてある程度出来上がったサービスの技術スタックを変更して1から作り直しになりました。
具体的には最初はLovableでモックを開発 -> APIをPythonのFastAPIというアーキテクチャにしていたのですが、モノシリックなアーキテクチャにしたくなり、全部をLaravelで書き直すという作業を行いました。
これは完全に時間の無駄でした。
言うまでもないことですが、ユーザーはそのサービスが何の技術が使われているかなんて誰も興味がありません。noteのこの書くためのエディタが何のライブラリなのか興味ある人はほとんどいないと思います。
ユーザーが気にするのはUI, サイト表示速度、サイトがちゃんと動くかの3点だけです。UIすらも出来たばかりのサイトなら完璧を求める必要性はありません。
個人開発の場合エンジニアとして重要なきれいなコードを書くことや、効率的なアーキテクチャでの開発などの概念はいったん忘れた方がいいです。
とにかくスピードを重視していったん出すことを最重要にしましょう。
サービスを出せばわかりますが、サービスを出す前に考えていたクリティカルであろう問題は出した後はどうでもいい問題とわかったり、新しいクリティカルな問題が湧いてきます。つまり、サービスリリース後は視座が上がり、重要な問題に対して時間を使うことが出来るようになります。
最近見た投稿で面白かったのが「ダークモードがついてる新規サービスは赤信号」という話があります。
腐るほど言われてる内容ですがとにかく最低限の出来でリリースしましょう!スピード命!
まとめ
今どきサイト開発なんてエンジニアじゃなくても頑張ればできます。開発速度は大幅に短縮化され、Cursorにクエリを投げれば1分でおしゃれでモダンなトップページが完成します。
エンジニアとしてこだわりたい気持ちはわかりますが、それらは全て捨てて
- リサーチに十分な時間を割く
- 最低限の機能が完成したらさっさと出す
この2点を意識してさっさとサービスを一旦fixさせて市場の反応を見ましょう。
ちなみにPriceSphereはユーザーが5人ほどしか登録してもらえず、開発リソースが全てゴミになりました。これはGoogleでリスティング広告を先に打って問い合わせ数を見ていればランディングページ作成のコストだけで済んでいたと思います。
次回の記事では先月作成してリリース1日でピボットして、ピボット後3日で閉鎖したサービスについての記事を投稿します。気になる方はXのフォローをよろしくお願いします!
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